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経済産業大臣認可 第1784号 全日本葬祭業協同組合連合会 大阪市規格葬儀取扱指定店

葬儀の現場から

第111話「決断」

聞けば、大変複雑な状況でした。

中学卒業を控えた、まだ15歳。マンションの11階から転落し、その命を落とされたと。

私共にご葬儀の依頼をいただき、ご両親とお会いしたところは警察署。

その時のご両親の表情は、ご息女の死に対する悲しみだけではなく、何かしら私には見せないように堪えているような憤りの表情が見え隠れしておりました。

「なんとか自宅に連れて帰りたい」
ご両親の思いは、その一点に集約されていました。

しかし、そのご両親の思いとは裏腹に、何社かの葬儀社に問い合わせ状況を説明したそうですが、どの葬儀社も「その状況では、ご自宅へお連れするのはお受けしかねる。当社の施設へお連れするというのはいかがでしょうか?」との答えが返ってきたと。

「なんとか帰してあげたい」
ご遺体の状態、マンションの物理的状況、近隣の反応、取り巻く様々な要因からすると
確かにご自宅へ連れて帰って差し上げるのが「本当によいのか?」と悩みました。

そして、まだ15歳の娘さんです。
故人様もきっとお家に帰りたいはずとの思いは、私共スタッフの気持ちも突き動かされ、
どうすれば「○○ちゃん、お帰り」とご両親が迎えられるようにお連れできるかを話し合いました。

ご遺体に処置を施す段階でも、専門業者からは「動かさないほうがいい」「今、この状態をいかに保つかのほうが大事かも」と反対されました。
「お家に連れて帰っても、また式場にお連れしなければならないんでしょ?また動かすとなると、どうなるかわからないですよ」

確かにそのリスクは孕みます。その状況をご両親にお話をする。
娘さんのお体の状況をお伝えするのも、受け入れていただけるか不安が付き纏いました。

「状況はわかりました。それでも、やれるだけのことはやっていただけませんか?」

そこまでのお気持ちとなると、きっと並々ならぬ思いがあるのでしょう。ただ家に帰してあげたいという単純なお気持ではないはず。私たちも覚悟を決めました。

今になって冷静に考えれば、「何の問題もありません、任せてください、私たちはプロです」と胸を張ってお連れするのが良かったのでしょう。
しかし、何としてもお連れするという気持ちはあっても、私にはその言葉がでませんでした。

そして数名のスタッフとともに、娘さんはご自宅へお帰りになられました。

ようやく、ご両親も娘さんとゆっくり過ごせる時間が作れたことで少し安堵の表情が見えましたが、今度はご葬儀の打ち合わせを行わなければなりません。

その時に、ご遺体の状態があまりよろしくない状況でも、何故そこまで「連れて帰りたい」という気持ちが強かったのか、その理由を知ることとなりました。

監察医事務所の出した検案書の内容が、ご両親が納得のいくものではなかったと。

15歳の多感な時期の娘さんがマンションから転落死。
状況判断からか、死因とその原因の特定をご両親が想像もしていない原因が記されていたのです。
「自宅に連れて帰る」というのは、「最後に親としてできる娘の尊厳を守ること」だったと。

マンションの下には、たくさんの花束が供えられ、同級生の訪問が絶え間なく続いていました。
この時期の子供たち(私の当時とは全く違うのかもしれませんが)、男女関係なくマンションをたくさんの同級生が来るという光景をみますと、その様子だけで故人様がどんな娘さんだったかが伺えます。

通夜、葬儀にもたくさんの友人やその親御さんが参列され、故人様に届けとクラスメイトによる合唱が式場周辺に響き渡り、ご出棺されました。

ご遺族の希望どおりにできるよう、できる限り対応を考えるのですが、どうしてもご希望通りにいかない場合もあります。
私たちの故人様やご遺族に対する思いは、どんなお家の方に対しても同じです。
現場でしか感じられないこともたくさんあります。

万一ご希望通りにできなかったら、その代わりに何をして差し上げられるか?
ご葬儀はやり直しがききませんし、全く同じ葬儀は1件としてありません。
その場、その場にて全力で当たっていてもご遺族のお考え通りになっているかどうか不安になることもよくあります。
ご葬儀というのは「儀式」の時点だけを表すものではなく、そこに至るまでの過程をすべて含めて「ご葬儀」になるのだと改めて感じさせられました。
もし、あの時こうしていたら…、万一こういう対応をしていたら…、こうすればもっと喜んでいただけたのか?

そして、今回の判断が正しかったのかどうか?気持ちだけでお連れしたとしても、故人様に何かあったとしたら、正しい判断と言えるのでしょうか?
他の葬儀社の「連れて帰らない方が良い」という判断の方が本当は正しいのかもしれません。

常に現場に出れば悩みは尽きませんが、「ご葬儀」を担当するむずかしさと、後にいただいたご遺族のお言葉、

「何件も断られたのに、娘を連れて帰ってきてくれて本当にありがとう」

という言葉に担当者としては、逆に身を引き締められるご葬儀でした。

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