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葬儀の現場から

第43話「お布施は銀行振り込み」

 私が担当したお葬式のできごと。
 お通夜開始30分前にお寺様が会館へ到着され、担当スタッフがお寺様を控室までご案内致しました。
 控室から戻ってきたスタッフが私のもとへ来て「『お寺様が控室に喪主様を連れてくるようにと』おっしゃっておられました。」
 「了解。私が喪主様をご案内してきますね。」
 喪主様と二人で控室へ向かい、私は部屋の外で待機しておりました。
 10分程して部屋から出てきた喪主様はとても憤慨したお顔でそそくさと式場へ戻って行かれました。
 その後、お通夜が始まり40分ほどで無事に終わりました。
 弔問の方々が帰られ静かになった式場で喪主様と明日の葬儀について打合せをしているさなか、先程のお寺様との話の内容を私に教えてくださいました。
 それは「お布施」の話で喪主様の話によると「お寺様は京都の方で大阪に宿泊するための費用込みの金額で○○万円とのこと」ちなみに還骨・初七日は後日に行うということでした。
 しかし京都市内のお寺様ならば妥当な金額ではないでしょうか。
ただ一つを除いては。
 それは「お布施は銀行振り込みでいついつまでにお願いします」ということでした。
 これには喪主様も仰天したようで、だいぶショックを受けておられました。
 私「大切なお布施ですし高額なため、お寺様もそのようにお話しをされたのではないでしょうか」
 喪主様「たとえそうだとしても納得いかないわ!!通信販売じゃないのだから!!」
 私「・・・・・」
 翌日、無事に葬儀式は終了いたしましたが、お家の方とお寺様との間にはシコリが残っているようでした。
 「ものはいいよう」と言いますように言い方ひとつで事が穏便に終わることがあるのですが・・・。
 「銀行振り込み」とおっしゃったには必ず理由があったと思います。
 その理由がお家の方に伝わっていなかったというのが今回のもめ事の原因ではないかと思います。

 近い将来、お布施は「小切手」「分割払い」という時代がくるのでしょうか。

 

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