大阪の老舗葬儀社 創業130余年 大阪の葬儀や家族葬のことなら、川上葬祭まで。
大阪市の生野区・天王寺区・北区・都島区・東成区での葬儀や、大阪公営斎場である北斎場や瓜破斎場、やすらぎ天空館での葬儀や家族葬。

経済産業大臣認可 第1784号 全日本葬祭業協同組合連合会 大阪市規格葬儀取扱指定店

葬儀の現場から

第79話「紫陽花の花」

六月ごろのお話。
小雨が降ったり止んだり、その日の仕事を終えて帰宅する人たちは色とりどりの傘を手にしながら歩道を早足に歩いて行かれます。
その光景を横目にコインパーキングへ車を止め
打ち合わせの道具を詰め込んだ黒皮のアタッシュケースを抱えマンションのエントランスへ私は駆けていきました。
エレベーター内の鏡で身だしなみを整えながら、横目に電光表示を見送っています。
指定された部屋の前に到着すると、大きく深呼吸をして呼吸を整えてからインターフォンのボタンを押しました。
「ビィー、ビィー」と呼び出し音が鳴り、しばらくして一人の女性が扉の向こう側から私を迎え入れて下さりました。
簡単なごあいさつと自己紹介を済ませると、にこやかにほほ笑みながらリビングへ私を案内してくださりました。
リビングに入ると部屋の片隅に置かれた紫陽花の絵が私の目をひきました。
ソファーに腰を下ろし、打ち合わせの準備をしていますと、美味しそうに湯気が上がるコーヒーを「冷めないうちに召し上がってください」と出してくださり、
女性は対面の席に腰を下ろされました。
いささか、緊張ぎみの表情をしておられたので、世間話をしながら女性の緊張を解き、
本題の葬儀について伺ってまいりました。
お亡くなりになった方は女性のお母様。
ご葬儀は近親者だけで行う「家族葬」を希望されている。
式場は自宅から近いところで、人数に見合った規模がよいということ。
菩提寺があるので、そちらのご住職に葬儀を依頼するということでした。
要望を伺い、私なりに様々なご提案をさせていただきました。
ひととおり、ご葬儀の内容がまとまり女性と会話をしておりますと、
部屋の片隅に置かれた、紫陽花の絵が話題になりました。
キャンパスに書かれた紫陽花は、お亡くなりになられたお母様が、以前住んでおられた家の庭に植えておられた紫陽花だそうです。
しかし、十数年前の検診で癌が発見され、それ以来、苦しい闘病生活を送りながら大事に育てておられたそうです。
しかし3年前、老朽化で自宅を取り壊し更地にする計画が決まり、庭に咲いていた紫陽花も伐採することになりました。
そのため、大切に育てた紫陽花の姿を絵にして残されたそうです。
母は本当に紫陽花が好きだったんです。
女性は、そう言いながら絵を眺めておられました。
しばらくして、意を決したように私の顔を見つめながら、おっしゃりました。
「母の祭壇をすべて大好きな紫陽花にできないかしら? 他の花は一切使わずに、紫陽花だけで・・・」
思わず、私も女性の顔を見つめながら沈黙してしまいました。
心の中で「前例が無いし、本当にできるのだろうか?明日のお通夜なのに、花の手配が出来るのだろうか?」と考えていました。
数秒間の沈黙のうち、「わかりました。10分ほど、お時間をいただけますか?要望を実現できるように努力してみます」と伝え、
すぐに取引先の生花業者に連絡をいれました。
生花業者の担当者によれば「市場で紫陽花を見かけるが、祭壇を作るために必要な数百本の紫陽花が集まるか見当がつかないし、明日のお通夜って時間が無さすぎる」という否定的な意見でした。
私も粘り強く交渉し、担当者から「なんとか、実現できるようにします」という返事を引き出すことに成功しました。
そのことを、女性に伝えると満面の笑みで喜んでくださりました。
「きっと、お母さんも喜んでくれる」と・・・
翌日の早朝、私の携帯電話がけたたましく鳴り響きました。
電話に出ると、生花業者の担当者が「紫陽花確保できました!!」と大きな声で、
報告の電話をくださりました。
私も「ありがとう。きっと女性も喜ぶよ!!」と言葉を返しました。
後から聞いた話ですが、大阪の市場で確保した紫陽花では足らず、不足分を名古屋の市場で確保し、間に合うように高速道路で大阪まで運んだそうです。
その日も、梅雨の季節らしい空模様でした。
式場の入り口で傘をさしながら、女性が到着するのを待っておりました。
到着予定時間を少し過ぎたくらいのとき、女性を乗せた黒いタクシーが式場の前に停車しました。
私は女性を迎え、簡単なごあいさつをして式場入り口までご案内していきました。
そして、ゆっくりと式場の扉を開けました。
女性の前には紫や青など沢山の紫陽花に囲まれ、ほほ笑んでおられるお母様のご遺影がございました。
その瞬間、まるで時間が止まったかのように、その場に女性は立ちつくしておられました。
そして、お母様のご遺影を見つめながら、なにかを語りかけるように涙を流しておられました。

川上葬祭で対応可能な宗教|天台宗、和宗、真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、その他真言宗各派、浄土宗、西山浄土宗、その他浄土宗各派、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、真宗高田派、真宗興正派、その他真宗各派、時宗、融通念仏宗、臨済宗、その他臨済宗各派、曹洞宗、黄檗宗、日蓮宗、法華宗各派、顯本法華宗、日蓮正宗、本門佛立宗、その他の日蓮宗各派、創価学会、立正佼成会、霊友会、妙道会、神社本庁、神道修成派、出雲大社教、扶桑教、その他の神道系、天理教、世界救世教、黒住教、円応教、金光教、PL教団、生長の家、幸福の科学、キリスト教カトリック、プロテスタント、その他のキリスト系、在日朝鮮、韓国式のご葬儀(儒教式)、曹渓宗