葬儀

樒のこと

大阪では当たり前の樒。

これはいったい何?お葬式と何の関係が・・・

 

最近のお葬式では、あまり見かけなくなったお葬式の式場玄関に高くそびえ立つあの葉っぱだけの飾り物。

お葬式の会場に行って、一番最初に目見はいるのは、高くそびえ立つ緑の物体ではないでしょうか。関西の方ならご存知ですよね。

意外にも他府県の方は「何だ、これ?」と、お思いになるようです。調べてみますと、大阪だけでなく奈良県・兵庫県・京都府・和歌山県・三重県(一部を除く)・滋賀県・愛知県・でも一般的なようですが、他の地域では花輪がほとんどのようです。

その名前はシ・キ・ビ(漢字で樒と書き全国的にはシキミと呼びます)というお供え物です。

シキビは、もくれん科の常緑樹でその枝や樹皮からは独特な香りが漂い、実や花には有毒物が含まれています。

死者の近くやお墓に供えると悪霊が退散する、死臭を清めるなどと言われていることから別名を『仏前草』ともいわれています。

また、その香りからか、香を焚くときと同じとして扱われ、仏壇にもよく飾られています。

昔は、お葬式といえば自宅で行われるのがほとんどで、玄関口には『悪霊が退散する』、『死臭を清める』などの意味で、このシキビを立てていました。

おそらく、大昔は火葬場もなく土葬の風習だったので、野犬がお墓を掘り起こしたりしないように、シキビを敷き詰めていたようですが、いつのまにか、野犬を悪霊にたとえて、お葬式の必需品になったのではないかと思います。

この説は、いろいろある中で、一番納得できるものでしたので、みなさんに自信を持ってお伝えします。

ところが最近は、地域の集会所や葬儀会館などでお葬式をなさいます。

皆さんも、もしもの時はそこでとお考えではないでしょうか。

当社でも、自宅でお葬式をされる方は、1%にも満たなくなってきました。

そこには規約があり、もちろん、借りるためにはその規約に従わなければなりません。

この使用規約の中に、表飾りを禁止するというところが多いのです。

表飾りが禁止となると・・・

そうです。あの大きな緑の葉っぱシキビを立てることができないということです。

まぁ、分からなくもないです。あの大きな飾り物が1つや2つで済むならともかく、何十本も立つ場合なら、当然お隣の塀まで借りないといけません。

それでなくても、近所付き合いが希薄化しているのに、「うちの塀をどうぞ」と、なるわけもありません。

それに、葬儀会館や地域の集会所は多くの方が利用できるので、隣の方にしてみたら、知り合いでもなんでもないのに「何でやのん!!」となると思います。

そんな中、地域の方々がお考えになり、シキビに代わる物として、『板シキビ』『紙シキビ』なるものが登場したのです。

新生活運動の一環として、主に新興住宅地から流行し、今や大阪の至る所で見かけるようになりました。

昨年当社に入社した社員は、シキビといえばこれが普通と勘違いしたくらいです。

これは、近隣への迷惑とご当家の負担軽減の目的からできたそうで、文字通り短冊状の紙や板にご尊名を書いて掲示するといったもので、場所いらずのとても便利なすぐれものです。

でも、葬儀社やお花屋さんにとっては問題です。

管理を自治会でされているので、費用については、私たちは一切関係がない、つまり利益が上がらないというわけです。

領収書もちゃんとあり、地域によって差がありますが、500円から4000円というところです。

費用の一部を経費(紙代や施工代)として自治会に、残りは葬儀社ではなく、ご当家にキャッシュバックされるということになっているようです。

まぁ、いろいろな状況を考え、お金だけでなくお気持ちの上でも、ご当家の負担が少しでも軽くなるようにとお考えになったこのシステムは、とても良いお考えだと思います。

いずれは、大阪市内からあの緑の高くそびえ立つシキビが完全になくなる!なんてことになるのではないでしょうか。