お葬式が終ると一つの区切りとなる。
気持ちの整理がつかないまま悲しみのなかでとり行われるお葬式。
終えると張り詰めていた心の糸がゆるむ…
これから現実を受止めてゆかなければならない。
大切な人を失った悲しみを背負い、現実を生きてゆかなければならない。
辛いことだ。
お葬式を終えたあとにも供養がはじまる。
地域や風習、宗旨によって供養の仕方や内容は違うが、
生きている者のつとめがはじまる。
12年間もの看護の末に母を亡くし喪主をつとめた娘様。
お葬式終えてから早いもので四十九日の法要を終えたとのご連絡があり、
お話しをする機会がありました。
お通夜、お葬式を終えて家に帰ったとたん急に疲れがでてすぐに眠り、
朝起きたときには母がいないという現実にさらされ
たくさんの思いがこみあげてきたそうです。
悲しくて、その日は何もできなかったとおっしゃいました。
たとえようもない脱力感のなかでも七日ごとにお寺様が来られおつとめ頂く。
人は誰かが家に来るということで、そのための準備や部屋の掃除など、気を張らなければならない。
そのことでこう話す…
「不思議なものですね、七日ごとに気を張っていることで悲しい気持ちがまぎれ、ちょうど四十九日で落ち着いた気がします。
関係はないかもしれませんが、七日ごとという日数は気を張りながらも疲れがでない調度良い日数でした。宗教との関係か、何かあるのかもしれませんね。」
話す表情は笑顔でした。
宗教とは人をまとめるものすなわち政治手法として
日本に取り入れられた一つ。
そのなかで、何かを信じ何かに気持ちをいれるという意味合いでは
心を落ち着かせることができるのかもしれません。
ご遺族の悲しみの果てには必ずや笑顔があることを信じて、
今日も葬儀を終えられた御喪家にお伺いします。