葬儀

悲しみに暮れる中  積立金の真実

先日、私がご葬儀を担当させて頂いたご遺族のお話です。

 

病院で亡くなられたのはお父様。

お父様が息を引き取られ、ご遺族が悲しみに暮れている中、病院の看護師さんから

「葬儀社さんに連絡を取って寝台車に迎えに来てもらって下さい」

と、言われたそうです。

そこで、毎月少しずつ積立をしてきた、ある互助会に連絡をしました。

真夜中にも関わらず、スタッフの方が病院まで来て下さり、対応してくれたところまでは

よかったのですが・・・。

 

大阪市が建設した公営の斎場で身内だけの「家族葬」を希望ということをスタッフの方に伝えると

掛けておられる積立金は当社のホール以外で葬儀をする場合は適用外となります。

つまり、使用できませんと言われ

当社ホールは掛け金の40万円で家族葬を行うことはできません。

別途追加料金がかかります。と答えられたそうです。

もし、公営の斎場で家族葬を行うとするならば、積立金の40万円とは別に費用が発生するとのこと。

見積もりも詳しく出してもらったのですが、想像以上に費用が膨らんだため、娘さんは、

「わかりました。そこまで費用が上がるなら結構です。帰って下さい」

と、キッパリ断ったそうです。

 

その後、ご縁があり当社へ連絡が入りました。

そして娘さんのご希望通り公営の斎場で考えていた費用の範囲内で慎ましやかなご葬儀を執り行われました。

ご葬儀の翌日、互助会の解約は難しいと友人から噂は聞いていたのですが、葬儀代金の足しにするために意を決して積立金の解約を申請しに互助会の会館に行きました。

しかし、何度解約の意思を伝えても

「担当がいないので解約は受け付けできません」の一点張り。

不信感を抱きながら渋々その時は帰ったのですが、

家に帰って夕飯の支度をしていると、互助会の営業の方が来られました。

「よかったら線香をあげさせてもらえませんか?」

「・・・いえ、結構です。積立金の解約をお願いします」

「いやそれがね、規約上難しいんですよ。実は・・・」

と、玄関で延々と説得が続いた後、

それでも納得しない娘さんを見て、しびれを切らしたのか

「わかりました!解約の申請用紙を送りますわ!!」

と言い放ち、帰って行ったそうです。

 

自分にとって大切な人が亡くなった直後に積立金だけでは到底葬儀が出来ないことを知り、葬儀が終わった後にもこうして追い打ちをかけられる。

娘さんの心労は量り知れません。

 

これは、ある悪質な互助会のお話であり、全ての互助会が悪というわけでは決してありません。

会員登録の時点でキチンと説明責任を果たし、良心的に運営されている互助会も周りにはたくさんあります。

 

ただ会員を増やそう増やそうと躍起になっている一部の互助会が自社にとって都合の悪いことをひた隠し、安心を売りつけ、いざという時にご遺族が痛い目を見る。

そんな普通に考えたらおかしなことが、悲しみに暮れるご遺族に対して行われていることを知り、同じ葬儀業界に携わる者として心が痛みます。