葬儀

お別れの多様性・・・大阪市(生野区、東住吉区、平野区、阿倍野区、天王寺区、北区、福島区)堺市北区の創業明治十年 老舗葬儀社かわかみ葬祭社員のお葬式の現場レポート

様性とは「いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと」

海外では未だに人種や信仰を理由にした紛争が続いておりますが、それは信仰の多様性を認めないことが原因の一つではないでしょうか。

日本では信仰の自由が認めらており、神道、仏教、キリスト教、イスラム教など様々な宗教が共存出来る数少ない国のひとつだと思います。

こと葬儀においても同じで「火葬する」という事を除けば、各宗教の式次で執り行うことができ、最近増えている無宗教スタイルは式次も自由に執り行うことが現在の日本では出来ます。

良いと悪いとかは価値観の問題ですし、国々の宗教観が違うので一概には言えませんが、この自由なスタイルを望まれる方が多くなっているというのも事実です。

私が担当させていただいたお客様も「かたちに縛られない」自由なご葬儀を望んでおられる方でした。

喪主は奥様。ご主人は末期ガンと懸命に戦い、抗ガン剤で意識がもうろうとするなか、

「自分の葬儀は自宅で家族だけでしてほしい。好きな音楽をたくさん流して、家族全員で見送ってほしい」というご希望を奥様に伝えて最期を迎えられました。

 

葬儀当日、前日の晴天が嘘のように早朝から小雨が降り続き少し肌寒さを感じながら、

ご自宅へ向かいました。

式場になるお部屋へ上がらせていただくと、隣の部屋からピアノの音色が繰り返し聞こえてきます。

横におられた奥様に思わず「発表会の練習ですか?」と伺うと、にこやかな笑顔で、

「孫娘がね、おじいちゃんが好きだった曲をお別れの時に演奏したいって練習しているのよ」との事。

「なんだか素敵なお別れなりそうですね」と言うと、「そうでしょ!」と頷きながら横で笑っておられます。

 

開式時間となり、お花に囲まれながら故人様を中心に、お好きな音楽を聴いたり、お孫様達がおじいちゃん宛ての手紙を読まれたりしながら、ご家族だけの特別な時間がゆっくり過ぎていきます。

ピアノ献奏の順番になり、お孫様がピアノの鍵盤を弾きはじめると、部屋中に優しい音が満ち溢れていきます。

おじいちゃんの好きな曲で送ってあげたいというお孫様の純粋な気持ちがピアノの音色を介してご家族全員の感謝の気持ちがひとつになったあらわれでしょうか、

大切な方を亡くした悲しみは消すことはできなくても、それを打ち消すくらいの

「精一杯見送った」ということが私にも伝わってくるくらいの皆様の清々しいお顔がとても印象的なお別れでした。

故人様を霊柩車へ上棺するときには、皆様のお気持ちをあらわすかのように空はすっかり晴れ渡っていました。

 

「お葬式=宗教」というものに縛られず、ご家族が自由な発想で大切な方を

見送る姿に心から感動したと同時に、担当者として今までご家族が思う「多様な見送り方」を本当に叶えてさしあげれていたのか、ご家族の心の奥にある本当のご希望を伺えていたのだろうかと自問自答を繰り返しました。

ご葬儀は式場に祭壇があって、棺があり、そこへ宗教家が来られて

通夜と葬儀を執り行い、その後火葬場へ行く。

いつの間にか「当たり前」になり疑問を抱くことすら無かったのですが、

今回ご家族の故人様を思う温かい気持ちにふれ、送り方の多様性を学ばせていただきました。

 

今後、ご縁をいただくお客様が「貴方にお願いして良かった」と、

思っていただけるように、ご家族に寄り添い、希望する送り方を叶えてさしあげられるように精進していく所存です。