「成功者は墓参りを欠かさない」
主に自己啓発の文脈で、この言葉を見聞きします。
最近ふと思ったのですが、この“墓参り“が想定しているのは、掃除に始まり線香等をお供えし手を合わせて思いを馳せる、「一連の流れ」ではないかと。
どうしてこんなことを思ったのかと言うと、現代的な納骨堂は、その一連の一部(若しくは大部分)を省くことをサービスとして提供しているところがあると感じたからです。
例えば個別の供養壇のオプションを充実させると、ローソク→LED電球の電気ローソク、線香→電気線香 に置き換えが可能で、利用者はそれらを持ってくる必要がありません。ちょっとしたお菓子等のお供物でも持ち込めない、というところもあります。
お骨の供養の多様性に、私は驚きを感じます。
仏壇の給仕を丁寧にされる方などは物足りないかもしれないけど、その分手を合わせることに集中できるという側面もあるよね、というように、従来のお墓と比較すると、現代の納骨堂は本当に沢山の側面(性質)があります。多面体と言ってもいいほどです。
堂内はバリアフリーに優れている、冷暖房完備なので気温の激しさに左右されない、等の要素を持った納骨堂も増えてきており、遠方の墓参りでの不便・苦労を総力あげて解消せんとの気骨が感じられませんか。
良いか悪いかの二項対立で語られがちなところは確かにあるものの、業界やそれを担う人達は、それを超えてあらゆる供養ニーズに応えようとしているのだと思います。
「供養」という概念においてさえトレンドというものが生まれるのですから、思った以上に色んな選択肢があるんだなあ、ということは、沢山の方に知ってもらいたいなあ、その上で納得のいく形を選んでいただくことができたらなあと、思う次第です。