届出窓口
昨日三月一日のこと。
この日は、お客様からお預かりしている重要書類を提出するため、区役所に赴いていました。
何だかいつもに比べてやたらと混んでる… そして届出窓口に向かう男女ペアが多いような。
調べてみると、この日は「大安」と「一粒万倍日」の重なる、暦上とても縁起の良い日とのことでした。
しかも「一粒万倍日」は、Twitterのトレンドワードにも上がっているほど。なるほど。
こうした験担ぎや縁起物を、かつての私は、非現実的だとか、あてにならないだとかで歯牙にもかけず、ただの「信心」の差でしかないと思っていましたが、この考え方はすごく勿体無いのかもしれない… と感じるようになりました。
一粒万倍日は新しい財布をおろす上でも絶好の吉日であるらしく、例えば、財布を新しく、せっかくなら次の縁起の良い日に変えたい、じゃあこの日までに買おうか、それなら前から気になっていたアレにしようか… といった、先々の楽しい予定がぽつぽつ増えていくような、生きていく上で欠かせない、そんな小さな充実感を生み出す側面も、こういった縁起物は担っているのでしょう。
そして葬儀においては、今と昔で傾向の差は異なれど、やはり「友引」の存在は見逃せないものです。
その善し悪し・避ける避けないのどちらにせよ、相当な数の人達によって支持され重んじられてきた歴史があるからこそ、文化として今も残存しているということで。根底には不特定多数の人達の思いや願いがあるのだと、思いを馳せずにいられません。
縁起ごとの由来や慣習に合わせて行動を選択することで、物事が上手く進むための心強い味方をつけているような、そんな自分もまた文化の継承に一役買っているような……そういった見方もできるような気がします。
暦や縁起物って、本当によくできたシステムです。