舎利寺
生野区には「舎利寺」という地名がございます。
由来を調べてみると面白かったので、ご紹介いたします。
今から約1,400年前、生野長者と呼ばれる裕福な人がいました。
なかなか子宝に恵まれなかった長者は、神頼みをしてようやく子どもを授かりましたが、その子どもは言葉を話すことができませんでした。
悩んだ両親は四天王寺にお参りして聖徳太子に相談したところ、太子は子どもに向かって「私が前世であなたに預けた仏舎利(お釈迦様のご遺骨)を返しなさい。」とおっしゃいました。
その子は前世で聖徳太子に仕えていたのです。
すると子どもは、仏舎利3粒を吐き出し、言葉を話せるようになりました。
太子は、仏舎利2つを法隆寺と四天王寺に納め、もう一つを長者に与えました。
長者は大いに喜び、お堂を建て仏舎利を奉り「舎利寺」と名付けました。
このお寺は今もあり、由来になった物語が鐘に刻まれているそうです。
M. M.