印
年度末や年度始めには「ハンコ」を押す機会が多くなりますね。元号が改められた年には「ハンコ」は大活躍をしました。
印はインド語で「ムドラー」といい、標章を意味する言葉です。
仏教の教えの旗印、スローガンを「法印」といいます。諸行無常、諸法無我、涅槃寂静の三教説を三法印。これに一切皆苦を加えて四法印といいます。
仏像を拝むと、左右の手や指で、種々の形をつくっているのに気がつきます。中には、持ち物がある像も見受けられます。仏や菩薩がその悟りや誓願の内容を具体的に表したもので「印相」といいます。手や指で表すのを「手印」といい、密教では特に重んじているようです。「印を結ぶ」という言葉もあります。
禅宗などでは、弟子の悟りを認めることを「印可」といいます。そこから芸道などで、師が弟子の熟達に対し与える証明のことになりました。
このように、「印」は大切なしるしです。ハンコを押す時には慎重に-。