野辺送り
かつての日本では、自宅でお葬式を行い、遺族たちが葬列を組んで棺を担ぎ、遺体を墓地に運んでいました。これを野辺送りと言います。
「野辺」とは、墓地のことを指していると考えられています。
昔は今のように交通手段も発達しておらず、自宅から墓地まで遺体を運ぶ手段が限られていました。また以前は土葬が主流だったこともあり、野辺送りは古くからお葬式の中で重要な役割を持つ儀式の一つでした。
現在では、火葬が主流となり、交通手段も発達した現代では、出棺のあと遺族や参列者は自家用車やマイクロバスなどで移動することが一般的です。そのためこの「野辺送り」はあまり見かけなくなりました。
出棺後の遺体は霊柩車に乗せ、墓地ではなく火葬場に運びます。遺族や参列者は自家用車やマイクロバスに乗り、霊柩車の後ろを追走していきます。これも一種の野辺送りであるかもしれません。また、式場から霊柩車までご家族で運ばれるのも野辺送りとして出来るだけ皆さんで運ばれるのも良いのではないでしょうか。