最期を迎える場所、今現在では病院がほとんどではないでしょうか
今後、高齢化社会を迎える日本。病院のベットは数が足らなくなり、自宅治療が多くなる日も近いかもしれませんが、まだまだ、病院で亡くなるほうが多いと思う
病院で亡くなると、どうやって自宅まで搬送するのかはご存知の方も多いと思いますが
寝台車の手配―死亡診断書作成―治療代の精算―ご安置場所の準備などなど・・・・
しかし、ここには大きな問題点が存在しています
それは、病院側と葬儀社側との責任問題です。
病院側としては、ご遺体はきれいにさせていただいたし、着替えもした、霊安室にも安置
した。あとは葬儀社の人が迎えにくるだけ・・・
葬儀社側は、決められた時間に病院に向かう、その後、ストレッチャーに乗せてご安置場所へ出発する
この、病院から葬儀社への引き継ぎの間こそが空白の責任問題となるのです
先日、こんなことがありました。
故人様は長い入院生活後ご逝去されました。
今までの治療代が高額であったために葬儀ができないと奥様より当社に相談がありました。また、自宅も狭く、二階建てのため自宅に寝かせることもできませんとのことでした。
そこで私どもは、一般的にされている通夜と葬儀をする形ではなく、亡くなったあと、病院で納棺をさせていただきそのまま火葬場に向うという形を提案させていただきました。
しかし、そこには問題点があります。それは、火葬場へは、棺に納めた段階でしか入ることができず、どこかで納棺をしなければならないという点です。
基本病院内での納棺は、遠慮していただくというのが一般的らしく、院内で納棺をする場合は、病院にお願いする必要があります。しかし今回の病院では、病室ではなく、霊安室があるために院内での納棺を許可していただけました。
その後、私どもが霊安室に到着して故人様にお会いしてからのことです
いざ、お着替えをさせていただこうとして、布団をめくると・・・・
腕と股の間から出血しているではありませんか、恐る恐る寝巻きをめくると、明らかに
点滴治療のあとが・・・・そうです止血用のテープがないのです。
また、お顔に掛けてあった、白いハンカチをめくると、鼻には綿花が詰めてあったのですが、すこし開いた口元から体液が今にもこぼれそうに溢れているではありませんか。
その場には、看護婦さん数人が立っておられましたが、その光景を見ているのにも
かかわらず、一歩もその場を動かず、ただ見ているだけでした。
たまらず、一言。
『腕と股のところから出血がありますけど・・・・喉には綿花は詰めていないのですか?』
というと・・・・。
『きれいにしたはずですが・・・止まっていませんか?おかしいですね・・・』
と言うだけでした。
その後も動くわけもなく、じっとその場で見ていました。
私には、“もう病院側としての責任は済んでいるのであとは知りませんよ”と言って
いるようにしか見えませんでした。
私どもは、頬の部分を押して、口の中の体液をタオルと綿花、ティッシュで拭き取り
綿花を丸めて口の中に詰め込みました。一方、腕と股のところは、綿花を細く切り包帯
みたいに巻きつけて応急処置をしてお着替えすることにしました。
応急処置を終え、お着替えをしていると、後ろの看護婦さんが・・・・
『まだ、だいぶかかりますかぁ?じゃぁ、出る時、ここのインターホンから○○番を
押して呼んでいただけますか?下りてきますので。じゃぁ、お願いしますねぇ・・・』
・・・・・・・・・。
どういうことですかね?
この考え方が普通ですか?
故人様の処置も甘く、遺族、葬儀社にもこの対応、病院側の今までの対応が想像できます
確かに、迷惑をかけているのかもしれません、いつもは納棺をしていないのに、なぜ?
という疑問と今後の段取りがあり、不満があったのかもしれません
しかし、本当に残念なことです。聞くところによると、一部の病院では有料でエンゼルケアというのがあるらしく、お金を払うことによりきれいにしますというサービスがあるそうです。お金では変えられない物がそこにはあると思うのですが・・・。