地域の会館をお借りして、お通夜のために準備をしていたときです。
ひとりの女性が来られました。
壁に書いてある「式場使用料 葬儀の場合5万円」の張り紙を見て「この料金に食事代は含まれていますか?」と当社スタッフに話しかけています。
スタッフ「え・・・・、といいますと?」
女性 「霊柩車とか、バスとかのお金も入って5万円ですか?」
スタッフ「いいえ。この金額は、式場使用料ですよ」
女性 「じゃあ、食事代は別ですか?」
スタッフ「!」
そのとき、やっと理解できました。
この女性は、この金額を、葬儀費用の総額だと思っておられるのだと。
結局、そのまま会社のほうで詳しくお話を聞くことになりました。
例えば飲食費だけで計算してみます。
どこの仕出し屋さんでも精進上げ(懐石料理を注文すれば)は1人前3千円くらいするのではないでしょうか。
親族20名としたら20倍ですから、計6万円。これだけでも5万円では足りません。
なんとなく、想像ができそうなものですが、見当もつかない方が多いようです。
確かに、過去に相談を受けた中で、互助会積立金3万円(満額)でご葬儀ができると思っていた方も実際おられました。
では、同じ人生の節目の儀式、「結婚式」に関してはどうなのでしょうか?
わたしは「総額3万円でできると思っていた」なんて話は聞いたことがありません。
やはり、触れたくない、人にも聞けない「ご不幸ごと」だからこそ、こんな金銭感覚が生まれるのかもしれません。