「自分が亡くなった場合、誰が葬儀をしてくれるのだろう?」
身寄りのない高齢者の方は、常にこういった不安を抱えておられるのではないでしょうか。
実際、大阪市内在住で、身寄りのない高齢者数は増加傾向だそうです。
私も身寄りのない方のご葬儀を、担当した経験がございます。
故人様は、身寄りがなく老人ホームに入居しておられました。
そして、当社にご依頼をくださったのは、近所のお寺様でした。
お寺様に詳細をお聞きすると、この方は生前、数十年に渡りお寺の清掃やご奉仕をしておられたそうで、「私はひとり身のため、もしもの時はこのお金で葬儀をしてほしい」と、お寺様にお金を預けておられたそうです。
ご葬儀はお寺様のはからいで本堂にて執り行われ、ご友人や檀家のみなさんが多数参列し、多くの方々にお見送りされておられました。
しかし今回のご葬儀は稀なケースだと思います。身寄りのない方のご葬儀は、参列してくれるご友人、見送ってくれる知人もいないのがほとんどです。
故人様は、前もってお金を準備し、葬儀をお願いできるお寺様が身近にいらっしゃったことで、身寄りがなくても安心して旅立つことができたのだと思います。
前項にも述べましたが大阪市内では独居老人の数が年々増加しています。ニュースなどでも「老人の孤独死」というタイトルをよく目にします。
これからは、行政やヘルパーさんに頼りっきりではなく、いま、希薄になりつつある地域ぐるみでの助け合いも必要になってくるのではないでしょうか。