「独居老人」という言葉が浸透したのは、いつからでしょうか。神戸の震災のころからでしょうか。長年連れ添ってきた片割れを震災で亡くし、子供に同居を提案されても、やはり不慣れな土地から離れて生活する気力もない。そんなお年寄りが半壊した家や仮設住宅にひとりで住んでいるという多くの例を報道番組で取上げていました。
それから、15年余り。震災の影響だけでなく、自然と日本中でひとり暮らしをするお年寄りが増えてきています。ここ、大都会の大阪市内であっても例外ではなく、担当するご葬儀の何割かは、ひとり暮らしのお年寄りです。その多くは、少子化の為にやむ終えない事情でそうなっている場合ばかりです。
夫の両親の介護をご自宅でやりながら、毎日ご自分の実家にも通い介護をしている方。両親の介護をしつつ看るもののいない伯母の介護もしている方など。ご逝去したとき、一日中走り回っていたご遺族の苦労話をお聞きすると本当に頭の下がる思いがします。
お仏壇はあるのだけれど誰も住んでいない故人の家に49日の満中陰法要までお骨安置することが多く、その49日の間に毎朝毎晩、遺族さんは故人宅を訪ねます。
誰もいない家に、お骨安置。昔は考えられなかったかもしれません。しかし、これが最近よくあることで、これからますます多くなることだと思います。
そして、49日を節目として納骨・お仏壇供養をしたあとは、今度は家を始めとする故人の遺品処理があるのです。お金には返られない時間と体力の浪費です。
今、お墓参り代行ビジネスがあるようですので、これから先は、お葬式・お骨安置代行システムなどもできてくるかもしれません。