ターミナルケアの中で…大阪市生野区、天王寺区、東住吉区、阿倍野区、北区、福島区、都島区、堺市北区の家族葬、創業明治十年の老舗葬儀社社員の現場
どんな方にも人生には必ず「終わり」が訪れます。そして最後をどう過ごしたいかは人によってさまざまです。
その中でターミナルケアというものがあります。それは、残された時間をいかに平穏に過ごすかを考えたケアです。
私の妻はそういった施設に勤めており、終わりが「訪れる人」に対して色々と出来る事、してあげられることを日々考え実践しているそうです。
しかし、そのような施設でも終わりが「訪れた人」への対応は専門外となってしまいます。
私が何気なく、「今日はこんなお葬式だった」という話をすると、「そんなことできるんや!知っていたらあの時、教えてあげられていたのに!」という事が結構あります。
施設の利用者さんやご家族さんに希望を聞いて葬儀社に事前に相談へ行ってもらったら大体のことはやってくれるし、近い形で色々提案してくれると思うよ、とは言うのですが
亡くなる前に葬儀社の事を話すのは抵抗があり、言いだしにくいそうです。終末期医療の現場でもそうなのか、いや終末期医療だからなおさらなのか、と思いました。
私の父は50代で亡くなっています。当時、私は20代でこの業界に携わる前でした。私と違って非常に真面目だった父は胃がんで、もってあと1年と宣告され、丁度1年頑張った後、この世を去りました。
今の私であれば1年の時間があったら、父の希望をしっかりと準備できていたと思いますが、当時は事前相談など知りもせず、それまで難しいことは父に任せきりの家族でしたので、1年間特に何か準備することもなく最後の時を迎えました。
病院に紹介された葬儀社に任せきりのお葬式で、不満があったわけでは決してないですが、もっと色んな事をしてあげたかったと、今更ながらに、そして当時より色々と詳しくなった今だからこそ、思ってしまいます。
当時の自分たちに誰かちょっとでも教えてくれればよかったのに、とも。
「葬儀社の人間」としてではなく、「お葬式で後悔を残した人間」として、うちの妻、そして終末期医療に関わる人たちに伝えておきたいです。
それは「絶対に事前相談は必要です」ということを。もし葬儀社に相談することが憚られるならば、家族で終末の話はしておくことを。
そうは言ってもやはりこの手の話は家族間であっても言いだしにくいのは事実ですので、私の妻に「ならば君が世間話の中で簡単な事前相談をすればよいのだ」と色々とアドバイスはしていますが、私もまだまだ勉強中の身、そう簡単にはできないだろうな、とも思っています。
今後、葬儀の相談に来られる方のため、そして今まで関わってきた身近な人のために、最後の時を少しでもかけがえのない時間にしてもらうため、このターミナルケアの話を聞いて、本当に寄り添うとはどういうことなのかを真剣に考えさせられました。