会長との思い出
自社の事で恐縮ではございますが、先日、弊社会長の葬儀を執り行いました。
私自身、会長と直接お仕事をご一緒する機会はなかったのですが、地域の会館で葬儀の
準備をしていると、犬の散歩で通りかかった会長がいつも気さくに声をかけてください
ました。
入社したばかりの頃は、私の様な新入社員にも分け隔てなく接してくださることがとても嬉しかったのを覚えています。
一言目は「お疲れさん」
二言目は「明日の出棺は何時や?」
最後に必ず「よっしゃ、頑張りや」と仰って下さいました。
「会長、今日は〇〇町会の〇〇様のお葬儀です」とお伝えすると
「えぇようしたってや」といつも暖かい言葉をかけて下さいました。
短いやり取りでしたが、会長の故人様やお客様への深い思い、会社や地域社会を思う
気持ちを感じることができました。
「幕はもっと引っ張りや、社長に教えてもらい」
そんなアドバイスをいただいたり、時にはご自身が大きなお寺の幕を張った経験や
地域の会館で三千人規模の葬儀を取り仕切り、公園の端から端まで花輪を並べた時のこと
などを、嬉しそうに話してくださったこともありました。
会長の葬儀の準備で公園沿いを歩いていたとき、ふとそんな会話を思い出し、言葉にできない寂しさがこみ上げてきました。
どんなに疲れていても、会長に声をかけていただくと、不思議と「頑張ろう」と思うことがでたのを覚えています。
通夜の夜には、本当にたくさんの方がご弔問にお越しくださいました。
皆様それぞれに「会長さん」「おっちゃん」「お父さん」と親しみをこめて会長の事を
呼ばれ、それぞれの思い出を口にされていたのがとても印象的でした。
失礼ながら私の中では「公園を犬と散歩している会長」という印象が強かったのですが、こんなにも多くの方に慕われ、地域社会に貢献された方だったということを改めて
知ることができ、とても誇らしい気持ちになりました。
会長が残してくださった会社に、少しでも貢献できる社員になろう、そう強く心に誓った葬儀でした。
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