遺族様と葬儀式の打ち合わせをさせていただいている中で、
担当者「ご希望の式場などはございますか?」
遺族様「そやなぁ、親父は役員してたから近所の会館で葬式したいなぁ」
担当者「近所の会館? あ、通り沿いの会館ですね。」
遺族様「そうそう、あの会館やねん」
ここから、お客様には見えない葬儀社の裏側の仕事が始まるのです。
なぜなら、どこの葬儀社も全ての地域の会館を使ったことがあるわけではありません。
使用したことのない会館も多くあります。
初めて使用する会館に式場が決まった瞬間。
この瞬間から担当者は様々なことを確認しなければならないのです。
それは地域の会館によって規約が違うからです。
たとえば、会館内のイスやテーブルの並べ方。湯呑はお借りできるのか?
解錠、施錠は誰にお願いするのかなど多岐にわたります。
次に式場近隣の決まりごとなどを町会の方々にお聞きしなければなりません。
特に注意しなければならないことは、車両の駐車位置ではないでしょうか。
そして式場を設営し、通夜・葬儀告別式を粛々と執り行います。
告別式終了後、火葬場へ向けて霊柩車が出発したのち、
慌ただしく式場の撤収作業を行い設営前の状態に戻します。
そして式場で精進落としの食事をされる場合は、まさに戦場です。
親族様を乗せたバスが火葬場へ向け出発し、再び式場に戻ってこられるまでの僅かな時間にすべての機材を撤収しなければならないからです。
そして、帰りの車の中でその日の反省タイムです。会葬者の導線は間違っていなかったか?周りのスタッフとの呼吸は合っていたか?案内や誘導に問題はなかったのか?
考え出したらキリがありません。
初めての場所や会館などでしたら余計に考えてしまいます。
しかし、初めて行く場所などは新しい発見や勉強することがあり、とても時間の経過を早く感じます。
当社では、各会館・寺院の間取りのデータをパソコンに保存しており事前の打ち合わせなどで活用し相談者の皆様に情報提供いたしております。
次に使用する時のために。
また、どの遺族様の希望にも応えられるように。
今日も華やかではないし、お客様からは見えにくく地道ではありますが、こういう仕事も葬儀社の基本のひとつなのです。