沢山の人が集まると必ず「モメ事」が起きるのは世の常ではないでしょうか。
お葬式の現場においても同じことが言えます。
遺族・親族の間で生まれる「不平不満」お互いに顔を合している間は両者満面の笑顔です。しかし、ひとたび離れてしまうと「不平不満」の言い合いです。
しかし、大勢の親戚がいる前で「不平不満」を言う訳にはいきません。
だって大人ですもの。
唯一、おもいっきり「不平不満」を言える場所は式場から火葬場へ向かうタクシーの中だけではないでしょうか。
最近のお寺様は式場から火葬場までマイカーなどで行かれる方が多く、
喪主様と一緒にタクシーへ乗って行かないこともしばしあります。
ということは、タクシーの中は気心の知れた身内のみ。
葬儀が終わり、気持ちも開放的になると皆さん饒舌になります。
そして電光石火のごとく喋り出すそうです。
焼香順位や遺産相続について、親族の態度や発言に対する不満など・・・
身内だけで話をするのであればよいのですが、
ときには、運転手さんに意見を求める場合も・・・
運転手さんいわく、これが一番困るそうです。
だって、家の事情は家の人にしか分からないですから。
しかし、そのへんは慣れた運転手さん。
長年の経験から喧嘩両成敗の大岡裁きをするそうです。
つい最近、遺族の方からお礼の手紙をいただいたそうです。
それは、大岡裁きのおかげで「モメ事」が丸く納まったということでした。
しかし運転手さんの思いは、せめて葬儀当日くらい親族全員で故人様を送ることだけに集中していただきたいということでした。
たしかに、遺族・親族で「モメ事」を起こしていたら故人様も気持ち良く浄土へ行けませんよね。
故人様のことを第一に考え皆さんの気持ちを一つにしてご供養する。
「モメ事」はそれからでもよいかもしれませんね。