日本全体で年間119万7066人。
大阪では年間76581人。
365日で割ると、1日当たり約209人。
これは何の人数かと申しますと、日本、そして大阪でお亡くなりになられた方のお人数です。 (平成22年度人口動態統計参照)
職業柄、毎日のように大阪市内の火葬場に出向きます。そこでは、霊柩車が入れ代わり立ち代わり訪れ、それに伴い、ご遺族の方々がタクシーやマイクロバスで次々に来場され、火葬場は常に混雑した状況です。
普段何気なく生活をしている間にも、いつもどこかで人はお亡くなりになっている。葬儀という仕事を選んだからこそ、その事実を身をもって知らされました。
当然のことですが、人は誰しも必ず最期のときが訪れます。
ただ自分の周りの事になると、途端にフィルターがかかってしまいます。
まさか、身内に・・・
そんな、友人に・・・
快方に向かい元気な笑顔を見せてくれると信じ続け、ご家族の方々は頑張っておられます。
しかし、最後の灯(ともしび)が静かに消えたとき、現実に戻されてしまいます。
「これから、どうすれば・・・」
事前に準備が出来ていない方々が葬儀社に相談しなかった理由としては
「亡くなる前から葬儀社さんに相談するなんて縁起でもないと思っていた」
「何だか亡くなることを認めてしまうようで嫌だった」
私もその方の立場だったら間違いなくそう思ったと思います。
しかし、お葬式で後悔される方の大半は、事前に準備が出来ていなかった方がほとんどです。
日本消費者協会に実際に寄せられた話だそうですが、
「故人が亡くなった時、一緒に涙を流してくださった看護師さんが、ある葬儀社さんを紹介してくれたので、安心してお任せしていたのですが、葬儀が終わってみるとびっくり。
請求金額が見積の2倍もの金額に膨れ上がっていたのです」
「故人を自宅に連れて帰りたかったのだが、葬儀社さんに自社の会館に直接搬送すると寝台車料金が安くなると言われ、勧められるがまま会館に安置。そのまま話の流れで、その会館でお葬式をすることになり、寝台車料金は安くついたものの会館使用料やら光熱費を請求され、全体的に高くついた」
ひと言でお葬式の準備と言っても、どこに安置をするのか、どこでお葬式をするのか、どの葬儀社さんにするかを決めておくだけで心に余裕が持てます。
少しでも余裕があれば、葬儀社さんに行って事前見積りを出してもらうと、より一層安心できると思います。
人は誰しもこの世に平等に生まれ、平等に亡くなっていきます。
赤ちゃんが生まれる時は万全の準備をして迎えるのに対し、人が亡くなる時にはどうでしょう?
準備とは言いません。縁起わるいですものね。
でも、最期のときだからこそ、お葬式のことは前もって決めておき、お金のことや細かいことは何も気にせず、故人様のことに想いを馳せれるように心づもりをしておくことが、後悔をしない葬儀を行うための第一歩だと思うのです。
大切な方を安心してお送りすることができますように。