天理教は、神道の一種として考えられています。このため、天理教の葬儀は神道と似たかたちをとることになりますが、相談するのは「神社」ではなく全国各地にある教会を対象とすることになります。
天理教の葬儀の特徴:「御霊移し」
天理教では、神様が人間に体を貸し与えているという考え方を持っています。神様は人間の親となり、その身を育み、さまざまなことを教えている、としているのです。このような考え方は、天理教の葬儀の内容にも現れています。
天理教においては亡くなることは「神様に体を返すこと」という解釈になります。神様に体を返した後に、新しい体が見つかるまで、魂を神様にゆだねるという考え方をしているのです。これは「みたまうつし」と呼ばれる通夜にあたる儀式に象徴され、天理教の葬儀のもっとも大きな特徴です。
通夜祭では、祓詞を奏上(御祓いの言葉を述べる)し、みたまうつしを行い神の御許へと届けます。
供物を神前に供えたり(献饌)、斎主が玉串奉献(たまぐしほうてん)を行ったりします。また、「しずめの詞」を唱えます。これは、みたまうつしを完了させるための詞であり、非常に重要なものです。
世話役による列拝が行われたのち、参列者による玉串奉奠が行われます。喪主(喪家)が玉串奉奠をするのもこのタイミングです。
玉串を献じたあとは、参拝をします。天理教の拝礼の作法は「二礼四拍手一拝四拍手一礼」です。(必ずしも「しのび手」ではなくてもよいとされています)
※礼と拝の違いは、礼はお辞儀であるため30度程度の角度、拝は最敬礼で90度腰を折るとされています。
告別式でも、供物をささげたり、告別式のための詞が奏上されたりします。また、玉串奉献も行うなど基本の流れは通夜と同様になります。
ただし、ここで挙げた流れは、あくまで一例にすぎません。同じ「天理教」でも、その葬儀のやり方には、ある程度の地域差や教会の考えなどが存在します。
天理教葬儀のマナー:「二礼四拍手一拝四拍手一礼」
天理教においては神道同様、蓮の花の書かれた香典袋は使いません。これは仏教の考え方によるものだからです。
表書きについても、神道に準じます。「御玉串料」「御榊料」「御霊前」「御神前」などが一般的です。
なお、香典返しの際には「偲草」という、ほかの宗教ではあまり使われない表記が用いられます。
天理教の玉串奉献の仕方
天理教の玉串のやり方は、神道のときと同じです。礼拝の作法は「二礼四拍手一拝四拍手一礼」となります。