「親しい人だけの落ち着いた葬儀」「費用が決まっている葬儀」が家族葬の良さですが、「人を限定する」というところに、家族葬の落とし穴があります。
① 呼んでいない人が来る問題
来てしまった人を無碍に追い返すわけにもいきません。お通夜の料理やお礼の品の追加注文など、身内だけで静かに見送るはずが、あわただしい葬儀に変わってしまいます。「呼ぶ人以外に声をかけない」「呼ぶ人にも『人数限定』であることをしっかりと伝えておく」という徹底した“情報管理”が必要です。
② 誰を呼ぶかという問題
故人と親しかった人、故人がお世話になった人、また、遺族がお世話になっている人に対して葬儀のことを黙っているのは失礼にあたりますので、後日家族葬で行った旨を報告すると、『なぜ呼んでくれなかったのか!?親友だと思っていたのに!』と言い出す人もいます。
このような「人の気持ち」は非常に面倒なもので、「誰を呼ぶか」という大きな問題が発生するのです。
③ 葬儀後の物理的な問題
親しい人だけに声をかけて葬儀をとりおこなったために、程無くして近所のお知り合いの方が焼香に訪れるケースが多くあります。
何日も何回も対応に追われたり、香典や供物を持参してきた場合には、後日お返しを送るなどしなければなりません。
葬儀当日の人数を点綴してしまったがために、後で自宅を訪れる人、一人一人と向き合わなければならないということも忘れてはなりません。