臨済宗は「禅宗」の一つの宗旨です。
坐禅を通して釈尊の悟りの内実を直接体験し自覚することを目的としています。
「公案」という、修行に基づいて与えられる課題を考えることが坐禅の内容となっています。
臨済宗の葬儀の特徴:授戒と特に引導が葬儀式の中心
臨済宗の葬儀は「死者が仏弟子となり、修行の道に入り、自己の仏性に目覚めることを願う儀式」とされています。
したがって、授戒と特に引導(仏性に目覚めるため)が葬儀式の中心となります。
引導は引導法語といい、四六文といわれる形式を用いて漢詩文で書かれるのが普通で、韻字を合わせるなど漢詩作法に則り、禅の宗旨、生死の安心を示し、故人の生涯や戒名の意味を示すなど、一定の様式に従って、導師の修業を背景に作られるものです。
人間は、仏世界からみればまだまだ修行が不足した存在であり、この後、仏と縁を結んで仏弟子として修行に励むことを表現しています。これにより、遺族は故人の最後をきちんと送ることで、故人の安心を願うとともに、亡き人と共に平静な心を得、故人に報いよう
と自ずから促される、これが臨済宗の葬儀の特徴です。
臨済宗の葬儀の流れ:「山頭念誦」
臨済宗葬儀において、特徴的なのは「山頭念誦」と呼ばれる儀式です。これは、かつては葬列を組み、故人の成仏を願って「往生咒(おうじょうしゅ)」を唱え太鼓を打ち鳴らし寺院へと向かい、それから寺院にて導師によって引導の法語が唱えられたそうです。
現在の大阪では、このような葬列が組まれることは滅多になくなりましたので、式場にて一連の儀式を行います。
臨済宗の焼香のマナー
臨済宗の一般的な焼香の作法は、額に押し戴かず1回だけにするのが基本です。2回もしくは3回の焼香を行うケースもあります。
「1回のみでもよい、額にはいただかなくてもよい」というのを基本として覚えておきましょう。