道具一つとっても
故人様の湯灌で使う化粧品は非発熱性のものなのだそうです。
通常売られている化粧品は発熱性で、体温を利用する前提で作られているため
故人様をお綺麗にするには向いていないのだとか。
少しでも故人様をお綺麗な状態で送り出すために
道具一つとっても誰かの工夫や思いが込められていることに感嘆しました。
アメリカの方の話なので日本と多少違いはあるでしょうが
思いは同じだと思います。
この業界に身を置いてから様々な人を知る機会が多くなりました。
恥ずかしながらこの業界に来るまでお葬式で身なりを整えてもらった姿は
見たことがあっても、湯灌という言葉も知らずにおりました。
故人様を想うご遺族様のお気持ちは勿論のこと、そのご遺族様のお気持ちに応えようとたくさんの人が関わり、ひとつのお式が出来上がるのだと思います。
私事ではありますが、祖父の三回忌を迎え、今一度祖父だけでなく
心残りが少ないお葬式にしてくださった皆様に感謝しながら思い出に浸り、
また、私も誰かのお葬式を支えられる気遣いが出来るよう精進してまいります。