平成ヒットソングに導かれた休日
イヤホンを装着し、青春ど真ん中を彩ってくれた耳なじみ抜群の平成ヒットソングをBGMに、意気揚々とウォーキング。サビでは自然と歩幅も広がり、気分はほぼミュージックビデオの主人公。
すると途中から、なぜかじわじわと感じる視線。
気のせい気のせい、とそのまま歩こうとしたものの、やっぱり気になる。イヤホンを外すと、そこには困り顔のご年配の方。
「すみません、このお寺に行きたいんですが……」
と、写真を差し出される。立派な門構え。名前はまったく思い出せないが、場所はバッチリわかる。
「ここをまっすぐ行って、あの角を右です!」
我ながらスムーズすぎる案内。脳内ではなぜか“案内成功ファンファーレ”が鳴る。
考えてみれば、私は昔からやたらと道を聞かれるタイプ。
気になって調べてみると、
・安心感を与える人
・心身ともに余裕がある人
・自分以外に優しくできる人
…と、まあ書いてあることが全部いいこと。
(なるほど、つまりこのふくよかなフォルムは“包容力”ということね)
こんな体型に産んでくれた両親に、急に感謝の気持ちがこみ上げる。ありがとう、DNA。
すっかり気分がよくなった私は、そのままカラオケへ。
ウォーキングで温まった喉を武器に、平成の名曲を熱唱。
気づけばマイクを握りしめ、「あの頃」に全力で戻っていました。
道案内から始まり、自己肯定感が爆上がりし、最後は熱唱で締めくくる。
なんとも充実しすぎた、平成ヒットソングに導かれた休日でした。
S・O
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