閻魔参り
閻魔参りとは何か ― 日本に伝わる庶民信仰の一つ
「閻魔参り(えんままいり)」とは、閻魔大王を祀る寺院や堂に参拝することを指します。
閻魔大王は仏教において、死後の世界で生前の行いを裁く存在として広く知られていますが、日本では単なる裁きの神ではなく、懺悔や改心を受け入れる存在として信仰されてきました。
閻魔参りの意味と目的
閻魔参りは、来世の裁きを恐れるためのものというよりも、現世における反省と再出発を目的とした信仰行事です。
参拝者は、
• 自らの過ちを振り返り懺悔する
• 病気平癒や厄除けを願う
• 今後の生き方を正す決意を立てる
といった思いを閻魔大王に伝えるとされています。
この点において、閻魔参りは極めて人間的で、庶民の生活に根ざした信仰であるといえるでしょう。
閻魔の縁日について
特に重要とされるのが、**1月16日と7月16日の「閻魔の縁日」**です。
この両日は「地獄の釜のふたが開く日」とされ、参拝すれば罪が軽くなる、あるいは救済を受けやすいという言い伝えがあります。
この風習は、厳格な裁きの世界観の中にも、救いの余地を見出そうとする日本的な宗教観をよく表しています。
主な閻魔参りの寺院
閻魔参りで知られる寺院には、以下のような場所があります。
• 東京・源覚寺(通称「こんにゃく閻魔」)
• 京都・六道珍皇寺
• 各地に点在する閻魔堂や地蔵堂
いずれも古くから地域の人々に親しまれてきた場所です。
おわりに
閻魔参りは、恐怖によって人を戒める信仰ではなく、反省と更生を促すための信仰として受け継がれてきました。
過去を省み、これからの生き方を正す。
そのための静かな契機として、閻魔参りは今もなお意味を持ち続けているのです。
S・Y
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