こだわりをもって
大切な方のお葬式を執り行うにあたって、こだわりたいことってありますか?
最近、担当させていただいたご家族のおはなしです。
まだ30代とお若い喪主様。お父様のお葬式において、お父様が愛用されていたギターを式場に飾りたいと希望されて、当社にご依頼いただきました。
ギターだけでなく、ドラム演奏もされていたお父様。式場入口に作ったメモリアルコーナーに並んだ、10本以上のギターは圧巻。また、ギターのピックやドラムスティックも飾り、さらにご家族や、音楽仲間、ライブハウスのステージに立たれているお写真もたくさん飾りました。
ご参列いただいた皆様には、懐かしんでご覧いただけて、口々に思い出話をされていました。
当日ご参列されたご友人の皆様によると、学校の同級会でもギターを弾いて、歌って、皆を盛り上げてくださる、そんな方だったとか。
ギターを飾ることは、病床のお父様が口にされた願いだったとのこと。なかなかギターを飾ってもらえる葬儀社に出会えなかったそうですが、喪主様はお父様の願いをどうしても叶えてあげたいと希望され、何社もあたり、ようやく飾ることを前提に、前向きにお話をさせていただいた当社に出会われ、ご依頼いただいたそうです。
お父様のためにという喪主様はじめお子様方の気持ちと、お葬式に参列してくださった同級生や音楽仲間の皆様に自慢のギターを見てもらって懐かしんでもらえたことは、きっと故人様に喜んでもらえたのではないかと思います。
もうひと家族は、ご自身のお葬式において、宗教的な儀式はしないで欲しいと生前から口を酸っぱくおっしゃっていたお母様のために、息子様である喪主様が手作りしたお葬式で送り出されたご家族。
葬儀の式次第、どんなことをどんな順番で進めていくかを、すべて喪主様が決められ、元々映像制作の仕事をされていた喪主様が作られた、お母様のメモリアルビデオ。その場でナレーションを喪主様ご自身が入れながら、お母様のお仕事での功績、ちょっとクスっと笑えるようなエピソードもあって、お母様のお人柄がよくわかる素敵なメモリアルビデオでした。
最後には、ショッピングが何よりも大好きだったお母様のために、お母様が取っておかれていた百貨店のショッピングバッグに、参列の皆様それぞれにお別れと感謝のメッセージをしたためられ、お棺に納められました。
喪主様が、お母様のために少しずつ準備をされ、どうして差し上げたいかをじっくり考えておられたからこそできる、お母様の願いを100パーセント叶えた、アットホームな雰囲気のお葬式となりました。
一昔前ならば、ご参列の方も大勢で、「お葬式というのはこういうもの」という型が地域ごとにあって、その型どおりにおこなうこと以外には考えられなかったのではないかと思います。
もちろん、それぞれの地域にある古くからの慣習にのっとったお葬式も素晴らしいものです。ただ、今はそれもひとつの選択肢で、ほかの選択肢もたくさんあって、ご家族のご希望に応じてお葬式のスタイルをお選びいただけます。
まだ元気なのにお葬式のことを考えるなんて、というお気持ちはよくわかります。しかしながら、どんなお葬式にして差し上げたいか、どんなスタイルがその方らしいか、万一のことがあってからでは、時間にも気持ちにも余裕がなくて、じっくりと考えることができないというのが現実です。
まだお元気なうちにゆっくりと落ち着いて、どういったスタイルがその方らしいのか、その方のためにどんなことにこだわりたいのか、ご家族でお話しされて、ぜひ複数社の葬儀社に事前相談をされて、皆様のご希望を真摯に叶えてくれる葬儀社を見つけていただきたい、それが当社かわかみ葬祭であれば光栄です。
ご家族に寄り添い、故人様をその方らしいこだわりのお葬式の、精一杯お手伝いをさせていただきたいと思います。
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