慣れ親しんだご自宅
お葬式を執り行う場所といえば、まず皆様が思い浮かべるのは、葬儀社が運営する葬儀会館ではないでしょうか。当社も、「家族葬おくりみ」を運営、「最高のお見送りができる空間」をご提供し、ご近隣の方を中心に大勢の方にご利用いただいています。
そのほかには、公営斎場に併設されている式場、寺院またはお寺様が運営されている会館などがございます。ずいぶん少なくなりましたが、地域会館を利用される方もいらっしゃいます。ほとんどの方が、こうして「式場を借りて」お葬式をされているのが現状です。
事前相談にお越しの方に、時々聞かれることがあります。
「自宅でお葬式する方なんて、もういないでしょう?」と。
やはり、集まる親戚の方のお人数も多く、町会の方や会社関係の方なども参列されるとなると、ご自宅では準備や片付けも大変で、まして都心部ではそれだけ集まれるお家はなかなかないでしょう。だから、皆こぞって、地域会館や、葬儀社の会館を利用するようになったのだと思います。
ところが家族葬が一般的になり、コロナ禍を経て、より一層お集まりの人数が減りました。時代とともにお子様、お孫様の人数も減って「家族」の人数すら減ってしまっています。
だからこそ、ご自宅でお葬式ができるのです。
私自身も、ご自宅でのお葬式を時々担当させていただいております。
もちろん、ご親戚も来られて、なおかつ葬儀社のスタッフが自宅を出入りするのは、やっぱり面倒だな、と感じる方もいらっしゃると思います。また、隣近所に知られたくないという方もいらっしゃるでしょう。
けれども、それらを苦に思われないのならば、いつものお正月やお盆に、お子様、お孫様が帰省されるのと同じこと。
いつもどおり、ご家族のあたたかな雰囲気のなか、最期の時を過ごしていただけるのが、ご自宅でのお葬式の一番の良さではないでしょうか。
最期は自宅で、そう望まれている方は少なくありません。看取りは病院になってしまうかもしれませんが、最期の時間をご自宅で過ごして、ご自宅でお葬式をして送り出して差し上げることは叶えて差し上げられるかもしれません。
最近ご担当させていただいた方は、お父様を病院で看取られて、ご自宅にお連れ帰りになって、そのままご自宅でお葬式をされました。ご参列されたのはご家族様のみ、お母様と三人姉妹の娘様方、そしてそれぞれのご主人とお子様方で総勢15名くらいでした。
お母様が選ばれた青いお花がポイントの祭壇を飾らせていただいたのですが、打ち合わせに同席されていなかった娘様は、お家でもこんなに素敵なお花の祭壇を飾れるんだ!と驚かれていました。
もちろん、葬儀会館ほどの大きな祭壇を飾ることは難しいですが、コンパクトでもお花にこだわった素敵な祭壇を飾ることはできます。
逆にご自宅だからこそ、お父様と一緒に、お母様の手料理が並んだ食卓を囲み、思い出話に花を咲かせることもできるのではないでしょうか。きっと、お父様も楽しい最後の夜を過ごされたことでしょう。
故人様、そしてご遺族の皆様にとって一番良いお葬式となるよう、たくさんの選択肢をご用意し、ご提案できるよう、今後も精進してまいりたいと思います。
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