スーパーマーケット
料理が好きです。近所のスーパーで買い物をする時間も同じく好きです。
買い物カゴを片手にぶら下げ、野菜コーナー、肉売り場の順に徘徊し、1円でも安い外国産鶏もも肉を血眼になって探し求める。
今ではそのスタイルを確立している自分ですが、かつて一人暮らしを始めたばかりの頃は当然そんなことはなく、必要な食材を思いつくままにカゴへポイポイ放り込んでいました。
鶏肉は胸とももで全然値段が違うということ。キャベツや玉ねぎで季節の移ろいを知ること。
スーパーでのお買い物のあれこれは、誰かに教わったというより、「こういうもんなんだ」と知っていくことで、経験として積み重なっていった気がします。
アボカドは自分の手でムニムニしてみなければ、お肉もパックを傾けてみなければ、その弾力や色合いにまんまと騙されてしまいます。
見ただけでは分からないこと、触れてみないと分からないことがスーパーには沢山あって、「実際に手に取ってみること」「それで感じたことと先入観を分けること」の重要さが改めて分かるし、これは買い物に留まらず多くのことに当てはまる。
臆病で小心者の私にとってスーパーは、格好の修行場ではないか。大事なことを教えてくれる、人生の恩師ではないか。ライフだけに
……と、指先を湿らさなければ袋のクチを開けない自分の不器用さに悶々としつつ、そんなことを考えていた、休日の夕暮れです。