先日、ご葬儀を担当させて頂いたご家族で心に残った一言がありました。
お亡くなりになったのは、家族皆様からこよなく愛されていたおじい様。
数ヵ月前に大きく体調を崩され、自宅で静養するためマンションを新たに借りたものの、借りてから二日目に体調を崩し、緊急で病院に運ばれ、そのまま帰らぬ人となりました。
そして当社に連絡があり、ご葬儀を施行させて頂くことになりました。
翌日、ご納棺のため、そのマンションに伺って部屋に入るなり、お孫さん達が元気良く私達スタッフを迎えてくれました。
おじい様の納棺の儀式が執り行われている中、お孫さん達は自分の遊びで夢中になっていて、とても賑やかでした。
そんな中、ご納棺も終わり、お孫さん達が柩の小窓から故人様の顔を覗き込むと、
今までワイワイ騒いでいたお孫さん達が一瞬にして静寂に包まれました。
しばらくして、男の子の一言が、静寂を打ち破りました。
『なんか、ドッキリみたいやね・・・』
その日のお通夜、広い式場の中には、お孫さん達が柩を取り囲んで小窓から顔を覗き込んでいる姿がありました。
先程の男の子は柩から少し離れ、泣いていました。
なんで動かないんだろう、どうして話しかけてくれないんだろう。
もしかして、今にも起き上がって驚かしてくれるんじゃないか。
目の前の理解しがたい現実、そしてお孫さん達の交錯した思いを一言で言い表した表現が
まさしく
『ドッキリ』
その受け入れがたい現実を自分の中で受け止めるためにお通夜、葬儀というものがあるのではないでしょうか。