映画「おくりびと」がアカデミー賞を取ってから、テレビで「葬儀」をテーマにしたものが多くなってきている。
「この棺は、40万円だそうです」
「わあ、わたしはシンプルなこっちの棺でいいわ」と、コメントしたりしていて興味深い。
いままでは、タブーとされていたことが面白おかしく話されて不思議だ。
その中でも、エンバーミング(防腐処置)の紹介はおもしろかった。
実際に体験した遺族が出て来て、「生前の元気な顔に戻って送ってあげれた」と涙されている映像のあとに、エンバーミングの技術者が「パテでやつれた頬を埋めて上から化粧をします」と話していたが、防腐処置というだけあって、それだけでは終わらない。
注射や小切開など手術を行うのだ。
病院で手術などさんざん医療行為をしたあと、また手術を行うことになるのだが、葬儀社が遺族に対してどこまで説明をして、エンバーミングを売っているのか疑問を持ってしまう。
もし、そこまで知っていればエンバーミングをしない人も出てくるだろう。エンバーミングは素晴らしい技術ではあるし、必要ではあるけれど、美化し過ぎて隠している葬儀社がいるとしたら怖い。テレビ業界も怖い。
わたしも普段、他の業界の世界をテレビで見ては、「へー」とか言って鵜呑みにしていたが、ぜんぶ情報操作されているのだなとびっくりだ。