つい最近の出来事でつい心が和むお話です。
お母様がお亡くなりになられ、喪主を務めたのがご長男様。
喪主という大役に抜擢され、お通夜前から少々緊張しておられるご様子でした。
お通夜が始まり、お寺様のお経とともに焼香ご案内のアナウンスが流れてきます。
緊張の面持ちで焼香台の前へ進み一礼。
そして静かに焼香をされご自分の席へ戻られて行きました。
無事にお通夜が終わり、ご親族の方々が通夜振舞いの部屋へ歩いていかれます。
その流れに乗りながらご遺族の皆様も一緒に式場を出ようとした瞬間に、
喪主様のお孫さんが、楽しそうにピョンピョン飛び跳ねながら歌いだしたのです。
「しわしわ ばぁちゃんほっていこ♪しわしわ ばぁちゃんほっていこ♪しわしわばぁちゃんほっていこ♪」
思わず、皆で顔を見合わせました。
すると、喪主様が「母ちゃんを式場にひとりにしたら寂しがるなぁ」と、おっしゃって苦笑いをしながら席へと戻っていかれました。
お孫さんは相変わらずピョンピョン飛び跳ねながら「早くあっちにいこ!!オスシ食べよ!!」とお母さんのスカートの裾を引っ張っていきました。
その光景を眺めながら喪主様もニコニコしておられました。
そばにいた私に喪主様が「いやぁ失敗した。通夜が終わって気を抜いたせいか一番大事な、お母ちゃんのことを忘れとった(笑)」
そうですね。お亡くなりになられても大切な家族の一員ですものね。
家族が食事をしているのに式場で一人ぼっちだったら、悲しいですもの。