49日間
大切な人を亡くしてから、仏教ではご自宅に後飾りと呼ばれる祭壇を設け、49日間にわたって故人様を供養する期間を設けます。
この49日という期間は、故人様があの世へ旅立つための大切な時間とされ、宗派によって解釈に違いはあるものの、一般的には節目として多くの方が意識される日でもあります。
私たちは多くの場合、この後飾りの設置から49日を迎える頃に回収のご依頼をいただきますが、その際、ほとんどのご遺族様が口を揃えておっしゃるのが、「もうそんなに経ちました」という言葉です。
一年365日のうちの約7分の1、日数で見れば決して短くない49日ですが、喪失の悲しみの中で過ごす日々は、驚くほど早く感じられるものです。
実際、私たちも日々多くのご葬儀に関わり、数えきれないほどのご遺族と向き合ってきましたが、49日という期間が、いかにあっという間に過ぎていくかを実感しています。
そして同時に、その49日がご遺族にとってどれほど特別な時間であるかにも、常に心を寄せています。
故人様の死は、残された方々のこれからの「生き方」に深く影響を及ぼします。
けれども、無理に乗り越えなければならない、悲しみを早く手放さなければならない、というものではありません。
一つひとつの別れに真摯に向き合い、その想いに寄り添いながら、私たちはこれからもご遺族の心に少しでも寄り添える存在でありたいと願っています。
M.K
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