文明の利器
「便利な道具は甘え」――そんな謎の信念を、私は長年持ち続けていました。
ピーラーもスライサーも、「自分で包丁を使えばいいやん」と思っていたんです。便利グッズは、どこか贅沢品のような気がしていました。
ところが最近、料理のレシピ動画を見ていると、皆さんがスライサーで「シャッ、シャッ、シャッ」と気持ちよく野菜を切っているではありませんか。
「そんなに違うものなの?」
半信半疑で、ついに購入。
……結果から申し上げます。
もっと早く買えばよかった。
これが率直な感想です。
まず切れ味が気持ちいい。玉ねぎなんて、目が「さあ涙の準備を…」と思った頃には、もう切り終わっています。涙腺の出番なし。まるで戦わずして勝利した気分です。
しかも、自分で包丁を使うより無駄なく薄く切れるので、野菜も節約できます。感動するくらい均一な薄切りができて、自家製ポテトチップスまで簡単に完成。子どもたちは「また作って!」と大喜び。市販のお菓子に負けない人気ぶりです。
さらに一番驚いたのは、料理の時間が短くなったこと。
「たかが数分」と思っていましたが、その数分が積み重なると意外と大きいんですね。
夕食の支度が早く終わるようになり、少しだけ自分の時間ができました。
その時間を使って、最近お休みしていた夜のウォーキングを再開。
歩いて心地よく疲れると、夜はぐっすり眠れます。朝もスッキリ目覚められて、不思議と仕事へのやる気までアップ。
たった一つのスライサーが、料理だけでなく生活のリズムまで整えてくれるとは思いませんでした。
「便利な道具は贅沢」ではなく、「時間を生み出してくれる相棒」。
これからは意地を張らず、文明の利器には素直に頼ろうと思います。
S・O
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