
一日葬は通夜を省略し、告別式と火葬を1日で行う新しい葬儀形式として注目されています。家族の負担軽減や費用面でのメリットがある一方で、実際に執り行うと思わぬトラブルに直面することも少なくありません。
本記事では、一日葬を執り行う際の8つの注意点と、後悔しないための4つのポイントを解説します。大切な故人を心から送り出すために、ぜひ事前にこれらの注意点を確認してください。
一日葬の流れ
一日葬は、以下のような流れで執り行われます。
一日葬の流れ
- ①葬儀社へ依頼
- ②故人の安置
- ③葬儀の打ち合わせ
- ④納棺
- ⑤告別式
- ⑥火葬
①葬儀社へ依頼
まずは、一日葬を提供している葬儀社へ依頼しましょう。病院で亡くなった場合には、故人を安置場所まで搬送する必要があるため、葬儀社へ連絡して搬送車を手配してもらいます。
一日葬のプランがあるかどうかは葬儀社によって異なるので、希望する葬儀の内容や予算を伝えたうえで確認することが大切です。
②故人の安置
葬儀社へ依頼したあとは、故人を自宅や葬儀社の安置施設などへ搬送して安置します。原則として死亡後24時間を経過するまでは火葬できないため、亡くなってすぐに火葬を行うことはできません。
自宅での安置が難しい場合には、葬儀社が用意する安置施設を利用できるケースもあります。
③葬儀の打ち合わせ
故人の安置後は、葬儀社の担当者と葬儀内容について打ち合わせを行います。葬儀の日程や会場、参列者の人数、祭壇や棺の種類、返礼品などを決めていきます。また、宗教者を招く場合には、事前に連絡して日程を調整することも必要です。
一日葬では通夜を行わないため、その旨を葬儀社や親族、宗教者と共有し、当日の進行についてすり合わせをしておきましょう。
④納棺
続いて、故人の身支度を整えて棺へ納める納棺を行います。納棺の際には、故人が生前愛用していた衣服を着せたり、思い出の品などを副葬品として棺へ納めたりすることもあります。
ただし、金属やガラスなどは、火葬や収骨の妨げになることから棺へ入れられない場合もあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。
⑤告別式
葬儀当日は、葬儀・告別式を執り行います。仏式であれば、僧侶による読経や参列者の焼香などを行い、最後に棺へ花を手向けるなどして故人とのお別れをします。一日葬では通夜を行わないため、参列者にとって告別式が故人とお別れする大切な機会となります。
そのため、参列してほしい方には、一日葬であることや告別式の日時をあらかじめ伝えておくことが大切です。
⑥火葬
告別式を終えた後は、故人を火葬場へ搬送して火葬を行います。火葬が終わったら、遺骨を骨壺へ納める収骨を行うのが一般的です。
なお、火葬場の予約状況によって葬儀の日程や時間が左右されることもあるため、葬儀社と相談しながら全体のスケジュールを決めていきましょう。
一日葬を執り行う際の注意点
一日葬は家族の負担を軽減できる葬儀形式として選ばれていますが、実際に執り行うと以下のような予想外の問題に直面することがあります。
- 注意点①故人とのお別れの時間が短くなる
- 注意点②家族のスケジュールがタイトになってしまう
- 注意点③一日葬だから費用が安くなるというわけではない
- 注意点④一日葬式であっても会場費は2日分かかる可能性がある
- 注意点⑤香典収入が期待できない
- 注意点⑥日程が一日のため、葬儀後の弔問客(会葬者)が増えてしまう
- 注意点⑦親族から反対される可能性がある
- 注意点⑧菩提寺の許可を得る必要がある
これらの注意点を事前に把握しておくことで、トラブルを回避できます。
注意点①故人とのお別れの時間が短くなる
一日葬では通夜を省略するため、故人と過ごせる時間が通常の葬儀より大幅に短くなります。一般的な葬儀では2日間かけてゆっくりとお別れができますが、一日葬では朝から夕方までの限られた時間しかありません。
とくに家族にとっては、心の準備が整わないまま火葬を迎えることになる場合があります。このような時間的制約により、「もっと故人と一緒にいたかった」と後悔する家族も少なくないのが実情です。
注意点②家族のスケジュールがタイトになってしまう
一日葬では、納棺から火葬まですべての儀式を1日で完了させる必要があります。家族は早朝から葬儀場に集合し、打ち合わせや準備に追われることになるでしょう。
通常の葬儀なら前日の通夜で段取りを確認できますが、一日葬ではその余裕がありません。また、遠方から参列する親族は前泊が必要になる場合もあり、かえって負担が増える可能性もあります。
注意点③一日葬だから費用が安くなるというわけではない
一般葬と比較すると費用を抑えられるものの、期待されるほど大幅な費用削減ではないと理解しておく必要があります。葬儀社に支払う基本料金は30万〜50万円が相場で、通常の家族葬と比べて安くなるのは数万円〜十数万円程度です。
削減できるおもな費用は、通夜振る舞いの飲食代やスタッフの人件費の一部だけです。祭壇や棺、火葬料金などの基本的な費用は変わりません。むしろ香典収入が減ることを考慮すると、実質的な負担は通常の葬儀とあまり変わらない場合もあります。
関連記事:家族葬とはどのような葬儀?内容と具体的な流れを解説
注意点④一日葬式であっても会場費は2日分かかる可能性がある
一日葬でも、法律により死後24時間は火葬ができないため、前日から遺体の安置が必要です。多くの場合、葬儀の前日に会場へ遺体を搬入し安置するため、実質的に2日間会場を使用することになります。
葬儀場によっては、前日の安置から当日の葬儀まで2日分の会場使用料を請求される場合があります。安置施設の利用料も含めて、トータルでいくらかかるのか把握しておくことが大切です。
注意点⑤香典収入が期待できない
一日葬は日中の限られた時間に行われるため、仕事などで参列できない人が多くなります。通夜があれば夕方以降に参列できる人も、告別式のみでは都合がつかないケースが増えるでしょう。
参列者が減れば、必然的に香典の総額も少なくなります。一般的な葬儀では香典収入である程度の費用をまかなえますが、一日葬ではその恩恵を受けにくいのが現実です。予想以上に自己負担が大きくなる可能性を考慮しておきましょう。
関連記事:香典金額が多いのは失礼?年代・関係性別の相場や香典返しのマナー
注意点⑥日程が一日のため、葬儀後の弔問客(会葬者)が増えてしまう
一日葬では参列できなかった人が、後日自宅へ弔問に訪れることが多くなります。葬儀を簡略化して負担を減らしたつもりが、かえって対応に追われる結果となります。
弔問客(会葬者)は個別に訪れるため、その都度お茶を出したり、故人の思い出話をしたりと、家族は長期間にわたって対応を続けなければなりません。仕事を持つ家族にとっては、休日がすべて弔問対応で埋まってしまうこともあるでしょう。
注意点⑦親族から反対される可能性がある
一日葬は比較的新しい葬儀形式のため、伝統を重視する親族から理解を得られない場合があります。とくに高齢の親族から「通夜を省略するなんて故人に失礼だ」と反対されるかもしれません。
事前に親族へ相談せずに一日葬を決めてしまうと、後々まで関係がこじれる原因となります。故人の遺志であることを丁寧に説明し、理解を得る努力が必要です。それでも納得してもらえない場合は、葬儀形式を再検討することも視野に入れましょう。
注意点⑧菩提寺の許可を得る必要がある
菩提寺がある場合、一日葬を行うには必ず事前の許可が必要です。仏教では通夜・告別式・火葬という流れを重視するため、通夜を省略する一日葬を認めない寺院も多く存在します。
無断で一日葬を執り行った場合、最悪のケースでは納骨を拒否される可能性があります。
菩提寺との関係は先祖代々続くものであり、一度こじれると修復が困難になるでしょう。一日葬を検討している段階で早めに住職へ相談し、了承を得ることが不可欠です。
一日葬で後悔しないためのポイント
一日葬の注意点を踏まえたうえで、実際に執り行う際に後悔しないための対策が重要です。以下5つのポイントを実践することで、トラブルを未然に防げます。
一日葬で後悔しないためのポイント
- ポイント①葬儀と告別式に呼ぶ人はあらかじめ決めておく
- ポイント②親族や菩提寺に確認をとる
- ポイント③弔問対応の準備をしておく
- ポイント④葬儀のプロに相談する
- ポイント⑤複数の葬儀社へ見積もりを依頼する
それぞれ見ていきましょう。
ポイント①葬儀と告別式に呼ぶ人はあらかじめ決めておく
誰を呼んで誰を呼ばないのか、事前にリストを作成し、家族間で共有しておきましょう。曖昧なままでは、当日になって混乱が生じる可能性があります。
参列をお願いする人には、一日葬であることを明確に伝える必要があります。通夜がないこと、日中の時間帯に行われることを説明し、都合がつくか確認しておくことが大切です。香典や供花を辞退する場合も、案内状に明記して意思を明確にすることが重要です。
ポイント②親族や菩提寺に確認をとる
一日葬を決定する前に、必ず親族と菩提寺の了承を得ておきましょう。とくに故人の兄弟姉妹や、日ごろから付き合いのある親族には、早い段階で相談することが大切です。
菩提寺への連絡は、葬儀社との打ち合わせと同時期に行うのが理想的です。一日葬を希望する理由を丁寧に説明し、理解を求めましょう。完全に拒否された場合は、読経だけでも依頼するなど、歩み寄りの姿勢を見せることが賢明です。
ポイント③弔問対応の準備をしておく
一日葬では葬儀後の弔問客(会葬者)が増えることを想定し、事前に対応方法を決めておきましょう。まず、弔問を受ける期間や時間帯を家族で話し合い、無理のない範囲で設定することが大切です。
弔問客(会葬者)への対応をスムーズにするため、故人の遺影や思い出の品を飾るスペースを用意しておくとよいでしょう。また、お茶菓子なども多めに準備しておくことで、急な訪問にも対応できます。
ポイント④葬儀のプロに相談する
一日葬は通常の葬儀とは異なる点が多いため、経験豊富な葬儀社に相談することが不可欠です。葬儀社は過去の事例から、起こりうるトラブルや対処法を熟知しています。
相談する際は、予算だけでなく、家族の事情や故人の遺志なども詳しく伝えましょう。プロの視点から、最適な葬儀プランを提案してもらえます。一日葬の実績が豊富で、アフターフォローも充実している葬儀社を選ぶことで、安心して葬儀を執り行えます。
ポイント⑤複数の葬儀社へ見積もりを依頼する
一日葬で後悔しないためには、複数の葬儀社へ見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較することも大切です。一日葬では通夜を行わないものの、祭壇や棺、故人の搬送・安置、火葬などにかかる費用は必要です。
また、先述したように、一日葬であっても安置や会場の利用状況によっては、想定していたほど費用が安くならない場合があります。そのため、提示された総額だけを見るのではなく、基本プランに含まれる項目や追加料金が発生する条件まで確認しておきましょう。
複数社を同じ条件で比較すれば費用の目安を把握しやすくなり、希望する葬儀内容と予算に合った葬儀社を選びやすくなります。
一日葬はどのような場合に適している?
一日葬には、遺族や参列者の負担を抑えやすいという特徴がある一方、すべての方に適しているとは限りません。葬儀の規模や参列者の人数、故人やご家族の希望などを踏まえ、一日葬が適しているかどうかを慎重に判断することが大切です。
一日葬が適しているケース
一日葬は、ご家族・親族を中心に、比較的小規模な葬儀を執り行いたい方に適しています。
通夜を行わず、葬儀・告別式から火葬までを一日で進めるため、遺族が高齢で体力的な負担を抑えたい場合や、遠方から訪れる親族の負担を軽減したい場合にも検討しやすい葬儀形式です。
また、故人が生前に「大がかりな葬儀は望まない」と希望していた場合にも、一日葬が選択肢となります。ただし、費用や時間だけを理由に決めるのではなく、故人の希望や参列者の事情も踏まえて検討しましょう。
一日葬が適していないケース
一方、多くの友人や知人、仕事関係者などが参列することが予想される場合には、一日葬が適さないことがあります。通夜がないため参列できる機会が限られ、仕事などの都合で日中の告別式に参加できない方が出てくる可能性があるためです。
故人とのお別れに十分な時間を設けたい場合や、親族が従来の通夜・葬儀を重視している場合には、一般葬や家族葬などのほうが適しているケースもあります。葬儀形式を決める際は一日葬にこだわらず、一般葬や家族葬なども含めて比較したうえで、ご家族が納得できる方法を選びましょう。
一日葬に参列する際のマナー
一日葬のマナーは基本的に一般的な葬儀と変わりません。通夜がないだけで、告別式での作法は通常どおりです。
受付では芳名帳に記入し、香典を辞退されていなければ袱紗に包んだ香典袋を渡します。告別式では順番が来たら祭壇に進み、家族に一礼してから焼香を行います。焼香後も家族への合掌・一礼を忘れずに行いましょう。
キリスト教式では焼香の代わりに献花を行い、香典袋には「お花料」と記載。お悔やみの言葉は不要とされています。一日葬は時間が限られているため、スムーズな進行への協力も大切です。
関連記事:葬儀の受付係のマナーや当日の流れを解説
まとめ
一日葬を検討する際は、費用や時間の削減だけでなく、さまざまな制約があることを理解しておくことが重要です。限られた時間で故人を送り出すからこそ、入念な準備と周囲への配慮が求められます。
かわかみ葬祭では、一日で送る家族葬プランをご用意しており、無料お見積もりや無料あんしん相談を承っています。24時間365日いつでもお電話いただけますので、一日葬について不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様のご事情に合わせて丁寧にサポートいたします。


































