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お役立ちコラム

葬儀で供花をいただいたらお礼に何か贈ったほうがよい?

公開日  更新日

葬儀の際には、故人にお供えする花をいただくことがあります。
その際には「供花のお礼は必要なのかな」「返礼品にはどんなものを選ぶべき?」と疑問を抱くかもしれません。

そこで本記事では、葬儀で供花をいただいたときに、どのような対応をとればよいのかをお伝えします。
きちんと感謝を伝えるためにも、ぜひご一読ください。

供花に対するお礼の品物は用意するべき?

結論から申し上げますと、葬儀でいただいた供花に対するお礼の品物は、基本的に用意しなくてよいとされています。
ただし、親族間の認識や地域の風習によって考え方が異なりますので、不安なときは葬儀社のスタッフや専門的な知識を有している方に相談しましょう。

基本的にお返しが必要ないとされているのは、供花は贈り主の哀悼の意を表したものであるためです。
いただくのは、あくまでも“故人の冥福を祈る気持ち”ですから、ギフトを贈らなくともお礼状で「ありがとう」と伝えられれば十分です。

とはいえ「感謝を伝えるだけでは足りない」と思われる方もいらっしゃいますよね。
その場合は、品物をお渡ししても問題ありません。

本来、供花に返しは必要ないとされてきたのは、ご供花をいただいた相手様にご不幸があったときには、今度はこちらから「供花を贈る」というのがいわば暗黙裡に行われていた、ということです。

つまり、縁を繋いでいくための行為であったわけです。

しかし近年はそういった関係性が薄らいでいき、さらに家族葬化で、訃報の連絡も事後に知ることなどが多くなり、本来のお返しの仕方もなくなりつつあり、品物を贈るということへ変化してきているのです。

供花は誰が贈ってくれるのか

そもそも供花は、誰から贈られるものなのでしょうか。

葬儀に参列された方

供花は故人の親族や友人、会社関係者など、葬儀に足を運んでくださった方から受け取ることがあります。
香典と一緒にいただく場合もあれば、花だけを頂戴する場合もありますが、いずれもお礼状で感謝の想いを伝えるのが一般的です。

葬儀への参列が難しい方

なんらかの理由で葬儀への参列が難しくなってしまった方も、供花を贈ってくださるかもしれません。

この場合、その場で直接感謝の気持ちを伝えられませんから、早めにお礼状を送りましょう。
お礼状には「あなたが贈ってくれた花は、葬儀に合わせて届きましたよ」と報告する意味もありますから、葬儀後7日以内に送るのがベストです。

しかし葬儀のあとは、行政上の手続きや遺品整理などで忙しくなり「お礼状を書いている余裕がない……」という事態に陥るおそれもあります。
その際には、まずはメールや電話で感謝の意を表し、後日改めてお礼状を送ると丁寧です。

供花のお礼として渡すギフト

供花のお礼は必要ないとはいえ「感謝の気持ちを伝えきれない……」と感じて、何か品物を渡したくなる方もいらっしゃるでしょう。
返礼品は相手を想って選びたいところですが、どのような品物でもよいわけではありません。

本項では、供花のお返しにふさわしい品物と、そうでないものをお伝えします。

お返しにふさわしいギフト

供花の返礼品には、“消えもの”を選ぶのが一般的です。

消えものは食べたり使用したりすることでなくなる、いわゆる消耗品を指します。
“悲しみを残さないようにする”という意味が込められていますので、弔事におけるお返しの品物に適しているわけです。

返礼品として贈る消えものの例としては、以下のような品物が挙げられます。

【供花の返礼品に適している品物】

・お茶

・コーヒーセット

・焼き菓子

・和菓子

・海苔

・せっけん

・洗剤

・タオル

そのほか消えものではありませんが、カタログギフトもおすすめです。
相手が自分で欲しいと思ったものを選べるため、外さない贈り物といえます。

また地域によって選ばれる品物に違いがあり、東日本ではお茶や海苔、西日本では食用油や砂糖といった品物が選ばれることが多いとされています。
こうした地域の風習を参考に、返礼品を選ぶのもよいかもしれません。

返礼品に適さないギフト

消えもののなかでも、供花のお礼にふさわしくない品物があります。

それは“四つ足生臭もの”とよばれる、四足歩行する動物の肉や生魚です。
生肉や生魚は命を奪うこと、つまり殺生をイメージさせるため弔事の際は避けてください。

また、慶事に使用する昆布やお酒、縁起物がモチーフのお菓子なども贈らないほうがよいとされています。

こうしたタブーとなっている品物を渡すと、本来伝えたかった感謝の気持ちを受け取ってもらえないかもしれません。
ですから、生肉や生魚、縁起の良い食べ物以外の消えものには、どのようなものがあるのかを確認しておくのが大切です。

また相手のことをより深く考えるのであれば、以下の点にも気をつけたいところです。

【返礼品で選ばないほうがよい品物の特徴】

・重いもの

・持ち運びにくいもの

・華美なパッケージのもの

・色合いが派手なもの

・消費期限が短いもの

特に、高齢者の方や風習を重んじる方にお礼を贈るときは、こういったところも注目しておきましょう。

返礼品の費用の相場はどのくらい?

供花の返礼品の費用は、親族間の認識や地域の風習によって異なるため、明確に決まっていません。
一つの目安としては、“半返し”と覚えておきましょう。

半返しとは、頂戴した供花の1/3~1/2の金額に相当する品物を贈ることです。
たとえば1万円の供花なら、3,000~5,000円の返礼品を用意するといった具合です。

「供花の値段がいくらかわからない」とお困りのときは、葬儀社のスタッフに相談してみてください。

返礼品を準備・お渡しする際のポイント

いただいた供花に対するお礼の品物を準備・お渡しする際には、注目したいポイントがあります。

ポイント①供花の差出人を把握する

返礼品の準備をスムーズに進めるためにも、誰が供花を贈ってくれたのかを明確にしておきたいところです。
贈り主がわかれば、葬儀後の忙しいタイミングでも少し余裕をもって準備できるはずです。

供花の差出人は、葬儀の受付で記録することをおすすめします。
芳名帳を活用し、花を贈ってくださった方の名前に印をつけておくと、ひと目で差出人を把握できるでしょう。

ポイント②返礼品はのし紙に包む

お礼の品物を、買った状態のまま贈るのは望ましくありません。
必ず弔事用の“のし紙”に包んでください。

そもそものし紙とは、のしと水引、表書きが印刷された紙を指し、慶弔で贈るギフトを包むために使用されます。
弔事の際は、縁起物である“のし”が印刷されていないものを選ぶのがマナーです。

また贈り物をのし紙に包むときには、ひと目見ただけでは、なんのギフトなのかがわからない状態にするのが一般的です。
品物の上から直接のし紙をかけて包装紙で包む“内のし”で、返礼品を贈りましょう。

そして、水引は“黒白結びきり”もしくは、“黄白結びきり”を使用するのがベターです。
関西では、黄白結びきりが用いられることが多い傾向にあります。
いずれも弔事では、結びきりという水引の結び方が基本であると覚えておいてください。

紙に印刷された水引でも問題ありませんが、頂戴した供花が高額な場合やより丁寧にお礼をしたい場合は、本物の水引を使用するのがおすすめです。

ポイント③お礼状と一緒に贈る

供花を受け取ったこと、そして葬儀を無事に終了したことを報告する意味でも、返礼品を贈るときは、お礼状を添えたいところです。
自分の言葉で感謝の気持ちを伝えられるがゆえ、ただ品物を贈るよりも丁寧な印象となります。
便箋やはがきに直筆でお礼を書くのが望ましいですが、それが難しいときはパソコンで文書を作成しても問題ありません。

また、お礼状を書く際には、いくつか気をつけたいポイントがあります。

【お礼状を書くときのポイント】

・白無地の便箋や封筒を使用する

・“拝啓”と“敬具”を使う

・句読点を使用せずに書く

・忌み言葉を避ける

・お礼にくわえて、遺族の生活の様子も簡潔に記載する

上記のポイントのなかでも特に意識したいのが、句読点の使用です。

句読点は文章を書くうえで欠かせませんが、お礼状においては使わないのがマナーです。
終わりや途切れを意味するため縁起が悪いとされており、弔事に送るお礼状にはふさわしくありません。
お礼状は、空白を入れて文を区切るのが正しい書き方となります。

ポイント④お渡しするタイミングを守る

「供花を受け取ったら、すぐにお返ししないと!」と思われるかもしれませんが、その必要はありません。

基本的には、四十九日の法要を終えてから2~3日以内に届くように贈ればよいとされています。
供花のお礼には感謝のほか、忌明けを迎えたことを伝える意味もあるためです。
ですから、葬儀後すぐではなく、法要を終えてから2~3日以内に届くようなタイミングで返礼品を贈りましょう。

ただし、以下のように葬儀を終えてから供花をもらった場合は、7~10日以内にお礼を贈るのが理想です。

【葬儀後に供花をいただく可能性のある時期】

・忌明け後

・一周忌や三回忌などの法事を執り行うとき

・初盆やお彼岸

・命日

供花は葬儀が終わってからも頂戴する可能性がありますから、時期によってお礼を贈るタイミングが異なることを覚えておいてください。

供花の返礼品はどこで手配すればよいのか

供花のお礼を贈ると決めたら、まずは品物を購入する必要があります。
その際には「どこで購入すればいいんだろう?」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

返礼品を購入できる場所は、大きく4つに分けられます。

【供花の返礼品を購入できる場所】

・百貨店

・ギフト専門店

・通販サイト

・葬儀社

上記のように、贈り物はさまざまなところで購入できますが「ここで買うべき」と、特定の場所をおすすめすることはできません。
というのも、人によって返礼品を選ぶときに重視する点が異なるためです。

返礼品を選ぶにあたっては「こういうものを贈りたい」「こんなサービスがあったらうれしい」など、ご自身のこだわりを明確にするのが大切です。
あわせて、お礼にふさわしい品物を扱っているのか、また弔事に関する専門的な知識のあるスタッフがいるかどうかもチェックしておきましょう。

「返礼品の選定から手配までを、安心して進めたい」と思われる方は、葬儀を執り行った会社で購入するのがよいかもしれません。
かわかみ葬祭では、葬儀後もしっかりとサポートいたしますので「供花のお返しってどうすればいいの?」と悩まずに準備を進められるはずです。

葬儀でいただいた花の返礼品は原則不要!かたちとして感謝を伝えたいときはマナーを守って品物を選ぼう

今回は、「供花を受け取ったらどうすればいいの?」という疑問にお答えしました。

基本的には、頂戴した供花に対してお礼の品を用意する必要はありません。
ただし、地域によって異なりますので「お礼の品物を贈ったほうがいいのかな」と悩むときは、葬儀社のスタッフに相談するのがベターです。

また、高額な供花を頂戴した場合やかたちとしてお礼を贈りたい場合は、ギフトを検討してもよいでしょう。
返礼品は買った状態のまま贈るのではなく、のし紙に包んだりお礼状を添えたりするのがポイントです。

葬儀で頂戴した供花のお礼に悩むときは、かわかみ葬祭にご相談ください。
専門知識を有したプロが、葬儀後のお悩みを徹底的にサポートいたします。

監修者

川上 知紀

株式会社川上葬祭 代表取締役

<略歴>

創業明治10年の老舗葬儀社、川上葬祭の5代目
関西大学卒業後、テニスコーチとして就職。その後、家業である川上葬祭へ入社。
代表に就任以降、業界の異端児として旧態依然の業界改革に着手。その経営手法から葬儀社向け経営コンサルティングや、業界向けセミナー講演活動、一般消費者向けの「無料お葬式講座」を講師として17年以上、現在もなお続けている。

<主な著書>

あなたのお葬式

葬儀社だから言えるお葬式の話

(共に日経新聞社出版より刊行)

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